

リカイドの食べ物編にある2択「お刺身のわさびは?」は、40,705人が答えて「つける」が52%、「つけない」が48%でした。食べ物編100問を割れなかった順に並べると13位、全1,000問の中でも81位です。4万人ぶんの回答が積み上がっても、差は数ポイントのまま動きません。
主役の対決は寄るのに、薬味だけほどける
食べ物編には、料理そのものを戦わせる質問がたくさんあります。そちらの結果は、意外なほどはっきり片側に寄ります。「ラーメン vs つけ麺」はラーメンが84%、「餃子 vs シュウマイ」も餃子が84%、「うどん vs そば」はうどんが74%。どれも少数派側に立つのは4人に1人前後です。
ところが、料理ではなくあとから足すものを聞いた質問になると、票が急にほどけます。「唐揚げにレモンは?」は約37,600人が答えて「かける」が56%。「牛丼に紅しょうがは?」は約35,300人で「のせる」が43%。わさびを含めたこの3問は、どれも食べ物編を割れなかった順に並べたときの上位40問に入っています。



主役の対決には、たいてい自分なりの答えがすでにあります。ラーメンとつけ麺のどちらが好きかを、人は聞かれる前から知っている。けれど薬味は、料理の一部でありながら、つけるかどうかを毎回その場で決め直せる余地が残っています。脂ののったサーモンには効かせて、繊細な白身にはつけない。そういう使い分けをしている人は、2択のどちらに丸をつけても嘘になりません。境界に立っている人が多い質問ほど、集計は50%に近づいていきます。
「つけない」の中身は、たぶん一つではない
48%という数字を「わさびが苦手な人の割合」と読むと、たぶん少しずれます。刺身に何も足さない理由は、少なくとも何通りかありそうです。醤油だけで味が完成していると感じている人。ツンとくる刺激そのものが苦手な人。回転寿司のサビ抜きで食べ慣れたまま大人になった人。魚の香りをわさびで上書きするのがもったいないという人。家でパックの刺身を食べるとき、付属の小袋を開けるのが面倒なだけ、という人もいるはずです。
同じ食べ物編の「苦手な食べ物が出てきたら?」は約38,100人が答えて「がんばって食べる」が61%、「激辛料理は?」では「挑戦したい」が43%でした。刺激を避ける人が4割前後いるジャンルなので、わさびだけが例外ということはないでしょう。ただ、苦手な人の数だけでは48%には届かないはずです。苦手だから避けている人と、好き嫌いとは無関係につけない人が、同じ側に混ざっている。そう考えたほうが、この数字とは噛み合います。



どちらを選んでも格好がつく2択
リカイドの回答は、自分の中で完結しません。友達に解いてもらう前提で作られるので、自分が選んだ側は最後に相手へ見えます。見られるとわかっている場所で選ぶ以上、どちらがそれっぽく映るかは、選択に多少なりとも効いている可能性があります。
わさびの質問がおもしろいのは、その力が両方向に働きそうなところです。「つける」は魚の味がわかる側に見えるし、「つけない」は素材そのものを味わう側に見える。どちらを選んでも様子がつく2択では、見栄による上乗せが両側で打ち消し合って、素の好みに近い数字が残っているのかもしれません。逆に言えば、片側だけが通っぽく見える質問の結果は、その分を差し引いて読んだほうが安全だということでもあります。
醤油皿でわさびを溶かすか、刺身の上にちょんと乗せるか。目の前で毎回行われているのに、家族や友達がどちら派なのかを言える人は、意外と少ないはずです。何十年も同じ食卓を囲んでいて、まだ確認していない。そういう小さすぎる習慣は、面と向かって聞くより、2択にして渡したほうが返事が返ってきます。