目が覚めてから家を出るまでの時間を、順番に思い出してみてください。顔を洗って、着替えて、通知をひととおり確認して。その並びのどこかに食卓が入るかどうかは、意志というより、その日に何時に起きたかで決まっていることが多いはずです。リカイドの食べ物編にある2択「朝ごはん、毎日食べる?」は、38,459人が答えて「毎日食べる」が48%、「抜きがち」が52%でした。


食べ物編100問を「割れなかった順」に並べると、この一問は9位に入ります。周りに並ぶのは、ケーキはいちごショートか濃厚チョコか、鍋のシメは雑炊か麺か、といった純粋な好みの質問ばかりです。何十年も推奨されてきた習慣が、いちごとチョコの隣で同じくらいきれいに割れている。その並びだけ、少し様子が違って見えます。
生活時間の質問は、ほぼ全部が夜側に振り切れます
同じ人たちが、時間まわりの2択でどう答えているかを並べてみます。性格・価値観編の「朝型 vs 夜型」は約37,000人が答えて「夜型」が85%。日常・習慣編の「夜更かしは?」は約38,000人で「しがち」が90%。「寝る前は?」は約34,200人で「ついスマホを見ちゃう」が90%。「髪を洗うのは?」も約26,500人のうち87%が夜派でした。
生活時間を聞くと、9割近くが夜の側に転がります。前の晩に髪を洗い、スマホを見て、遅く寝る人たちがこれだけ多い。その流れのまま朝を聞けば、朝ごはんも同じくらい極端に「抜きがち」へ寄りそうなものですが、実際には48%対52%で止まりました。夜の偏りが、朝までは引き継がれていません。



朝ごはんは、好みではなく段取りで決まっているのかもしれません
夜更かしは、自分ひとりで完結する行動です。誰の許可も要らず、やめるのも自分次第。いっぽう朝ごはんは、家に食べるものがあるか、家族が用意するか、家を出るまでに何分残っているか、といった条件のほうが先に効いてきます。食欲や意志の問題として聞かれているようで、実際には毎朝の段取りを答えている質問だ、という読み方はできそうです。
そう考えると、夜型でも食べる人と朝型でも抜く人が同じくらいいて、結果が真ん中に落ち着くのは自然なことになります。生活時間の2択が個人の傾向を測っているのに対して、この一問だけは暮らしの形を測っている。似た顔をして、聞いているものが違うわけです。
食べ物編の「目覚めの一杯は?」でも、約33,300人のうち82%が「お茶・水」を選び、コーヒーは18%でした。朝に選ばれているのは、いれる手間がいらないほうです。朝の食卓に許されている時間の短さは、こちらの数字にも表れているように見えます。
「抜きがち」の52%は、ひとまとまりではありません
こちら側を「だらしない人たち」でまとめてしまうと、たぶん実態から離れます。朝はほんとうに食欲が湧かない人もいれば、通勤・通学の途中でパンやおにぎりを買って済ませていて、それを朝ごはんに数えていない人もいます。昼を早めにとる形で落ち着いている人、朝の10分を睡眠に回すと決めている人もいるはずです。
選択肢が「毎日食べる」と書かれていることも効いています。週に5日食べていても、1日でも抜けば「毎日」ではなくなる。かなり厳しい基準の質問なので、52%をそのまま「朝食を食べない人の割合」と読むことはできません。実際に食べている頻度は、この数字より高いところにあると考えたほうが安全です。
見栄を張るには、地味すぎる質問でした
リカイドの回答は、自分のクイズになって友達に送られます。答えが読まれると分かっている以上、印象のいいほうを選ぶ動機は常にあります。それでもこの一問が半々で止まったのは、朝ごはんが見栄の効きにくい項目だからではないでしょうか。毎日食べていると書いても、特に株は上がりません。
しかもこのサイトがいちばん遊ばれているのは深夜0時前後です。夜中にスマホを開いて、その手で「毎日食べる」を押した人が48%いる。矛盾しているようですが、夜更かしと朝ごはんは、そもそも同じ引き出しに入っていないのかもしれません。


毎朝どうしているかは、一緒に暮らしていなければ案外知らないままです。知らないままでいい話でもありますが、聞いてみると意外と話が続くのも、この手の質問です。