「5分前行動」という言い回しは、学校でも職場でも繰り返し使われてきました。時間ちょうどではなく、少し前に着いておく。実践できているかどうかはさておき、望ましい振る舞いとしてはかなり広く共有されている標語です。ところがリカイドの日常・習慣編にある2択「待ち合わせは?」の結果は、その標語をきれいに半分だけ支持しました。33,726人が答えて、「15分前に着く」が49%、「ぴったり〜ちょい遅れ」が51%です。


とはいえ、出方には偏りがあります。日常・習慣編100問を「割れなかった順」に並べると、この一問は4位。全1,000問の中でも36位です。上位に並ぶのは「保険は?」「味噌汁の具なら?」「リセマラは?」といった、好みが分かれて当然の質問ばかり。時間の守り方という、一応の正解がありそうな質問がその隣に来ているのは、少し目を引きます。
計画性を聞くと、たいてい8割が同じ側に寄ります
比較のために、近い性質の2択を並べてみます。性格・価値観編の「物事の進め方は?」は、約32,600人が答えて「ノリと勢い」が78%、「計画的」が22%。同じ編の「締め切りは?」は約32,900人で「ギリギリ火事場」が76%、「前倒しで終わらせる」が24%でした。段取りの話になると、リカイドの回答者は8割近くが同じ側に転がります。
その人たちが、待ち合わせでは半々に割れる。ここで効いていそうなのが、約束の相手がいるかどうかです。締め切りも、計画の進め方も、破ったときにまず困るのは自分です。待ち合わせは、遅れた分がそのまま相手の待ち時間になります。同じ「時間を守る」でも、支払う側が違う。
作業にかかる時間を短く見積もってしまう傾向は「計画の錯誤」としてよく知られていますが、それだけでは待ち合わせのほうが締め切りより守られる理由になりません。見積もりの精度ではなく、誰に迷惑がかかるかが分岐点になっている、という見方のほうが数字とは噛み合います。



「ぴったり〜ちょい遅れ」の51%を分けてみる
半分を占めるこちら側は、ひとまとまりに見えて中身がかなり違いそうです。移動時間の読みが正確で、狙ってぴったりに着ける人。早く着くと手持ち無沙汰なので、あえて時間を調整する人。相手も同じくらい遅れる関係だと分かっていて、お互いに気にしていない人。そして、単純に間に合わない人。
選択肢が「ぴったり〜ちょい遅れ」とひと続きになっているぶん、この4種類は分離できません。ルーズさの指標として読むには幅が広すぎる、という但し書きは付けておく必要がありそうです。ちなみにダーク・本音編の「遅刻の言い訳は?」では、約39,000人のうち48%が「盛ったことある」を選んでいます。遅れること自体はそれなりに起きている出来事で、そのうえで待ち合わせの2択が半々なのだとすれば、「15分前」を選んだ側にも実際の到着時刻とは違う理想が混ざっているのかもしれません。
見られる前提でも、あまり盛られなかったようです
リカイドの回答には、他のアンケートにない事情があります。答えは自分のクイズになり、友達に送られ、読まれる。印象が悪くならない選択肢を選ぶ動機は、常にあります。時間にルーズだと書くより、几帳面だと書くほうが安全です。
それでも49%と51%で止まったのは、この項目が友達にすでに知られているからではないでしょうか。締め切りの守り方は他人からは見えませんが、待ち合わせの到着時刻は、毎回その友達の目の前で記録されています。盛っても当たらない。当てられるために作るクイズで、当たらない見栄を張る理由はあまりありません。


友達が何分前に来る人かは、たいてい体感で分かっています。分かっているつもりのことほど、聞いてみると違う答えが返ってくる。この2択が半々のままなのは、たぶんそういう場所だからです。