この2択には、行き先だけでなく気分までくっついています。「海外でドキドキ」と「温泉でのんびり」。場所を選んでいるようでいて、実際には旅行中にどんな状態でいたいかを選ばされている質問です。
リカイドの恋愛編にある「恋人と旅行するなら?」は、52,341人が答えて「海外でドキドキ」が18%、「温泉でのんびり」が82%でした。恋愛編100問を票の偏りが大きい順に並べると10位、全1,000問でも77位です。


「あこがれる?」と聞くと、答えは反対に振れます
同じ恋愛編には、ロマンチックな場面を正面からたずねる質問がいくつかあります。「夜景デートは?」は約50,500人が答えて、80%が「あこがれる」。「少女漫画みたいな恋は?」も約47,700人のうち58%が「あこがれる」でした。非日常が嫌いな集団ではありません。
ところが、自分がどうするかを聞かれた質問になると、数字はきれいに裏返ります。「プロポーズは?」は約47,400人が答えて75%が「自然な流れでいい」。「プロポーズされたい場所は?」では約44,400人の85%が「思い出の場所」を選び、「夜景のきれいなレストラン」は15%まで落ちました。夜景に80%があこがれておいて、一世一代の場面の候補としては15%しか残らない。
あこがれと予定は、どうやら別の財布から出ています。この一問の18%と82%も、その延長線上にあると考えると収まりがよくなります。



予定を埋めなくていい関係が、選ばれています
温泉旅行の中身を思い浮かべると、予定表がほとんど埋まりません。着いて、入って、食べて、また入る。移動も少なく、その場で決めることも少ない。つまりこの選択肢は「二人でいる時間を、イベントで埋めなくても持つ関係」を前提にしています。
恋愛編の数字は、その前提を支持しています。「ふたりの沈黙は?」は約66,000人が答えて、87%が「心地いい関係がいい」。「ときめき vs 安心感」では約60,400人の76%が安心感でした。「デートするなら?」は約53,100人のうち60%が「おうちでまったり」、「おうちデートですることは?」では約57,200人の84%が「映画・ゲーム」で、「一緒に料理」は16%です。「初デートは?」でさえ、約45,200人の75%が「定番の映画・ごはん」を選んでいます。
会話が途切れても平気で、家で映画を流していられて、初回から冒険はしない。この並びの先に温泉があるのは、かなり自然な流れです。
海外を選んだ18%も、9,000人を超えています
18%は少数派ですが、人数にすれば9,000人以上です。
選んだ理由は一つではないはずです。恋人とまとまった時間を共有できる機会が旅行しかない人。休みを合わせるのが年に一度なら、どうせなら遠くへ行きたい人。旅先での判断や失敗まで含めて相手を知りたい人。そもそも温泉という選択肢に思い入れがない人もいます。行き先によっては、海外のほうが安く済むと知っている人だっているでしょう。
そして、選ばなかった側の事情も無視できません。パスポート、費用、休みの日数、体調、言葉。海外を選ぶには前提条件がいくつも要ります。それが揃っていない状態で「海外でドキドキ」に丸をつけるのは、相手に条件を持ちかけるのに少し似ています。リカイドの回答は友達に当ててもらう前提で選ばれるので、角の立たないほうへ寄る力はいつも働いている。82%には、その分の上乗せが混ざっているかもしれません。


旅行の行き先は、付き合いはじめに一度もめると長く尾を引きます。相手が温泉側なのか海外側なのか。予約サイトを開く前に当てられるなら、その先の相談はだいぶ楽になるはずです。