新しい商業施設の開業初日、始発前から入口に列ができている映像が流れます。あれをやっている人たちは、リカイドで答えた人のうち20%です。10人いれば2人。思ったより少ないと感じるか、そんなにいるのかと感じるかは、たぶん読んでいる人がどちら側かによります。
リカイドの遊び・スポーツ編にある2択「流行りのスポットは?」は、28,471人が答えて「すぐ行きたい」が20%、「落ち着いてから行く」が80%でした。遊び・スポーツ編100問を票の偏りが大きい順に並べると10位、全1,000問でも120位です。


「行きたくない」とは、誰も言っていません
まず確認しておきたいのは、多数派の選択肢が「行かない」ではないことです。80%が丸をつけたのは「落ち着いてから行く」で、行く意思そのものは残っています。この一問だけを見て、出不精な集団だと決めつけるのは早すぎます。
同じ遊び・スポーツ編の数字も、そう読ませてくれません。「音楽フェスは?」は約28,100人が答えて「行ってみたい」が77%、「配信で十分」は23%。「ウィンドウショッピングは?」では約28,800人の81%が「楽しい」を選んでいます。買わずに店を見て回るのが楽しいと答える人が8割いる集団は、出かけること自体が嫌いなわけではありません。「休日に遊ぶなら?」に至っては約33,600人が答えて、おうち派50%、おでかけ派50%です。
つまり、待っているのは流行が終わることではなく、たぶん混雑が終わることです。
数字が、もうひとつの質問とほとんど重なります
この読みを支えてくれる数字が、別の編にありました。食べ物編の「行列のできる店は?」です。約32,200人が答えて、「並んででも食べたい」が28%、「空いてる店でいい」が72%。スポットの20%対80%と、少しずれてはいるものの、同じ方向を向いた比率です。
ジャンルが違い、聞いている対象も違うのに、「話題の場所へ、いま、混雑ごと突っ込むか」という一点で問われると、人はだいたい同じ側に立つ。遊び・スポーツ編の「旅行するなら?」で約36,200人の80%が国内を選び、「旅行の計画は?」では54%が行き当たりばったりを選んでいることも、あわせて眺めると腑に落ちます。遠出も計画も重くしたくない人たちが、開業初日の行列だけは選ぶ、というほうが不自然です。


ノリで生きているはずの人たちが、ここでは動きません
面白いのは、この80%が「慎重な人たち」というわけでもなさそうなことです。性格・価値観編の「衝動買いは?」は約33,800人が答えて、79%が「しがち」。「物事の進め方は?」では約33,700人のうち78%が「ノリと勢い」を選んでいます。自己申告のうえでは、かなりの割合が勢い型を名乗っています。
それでも流行りのスポットには飛びつかない。理由を考えるなら、衝動買いはひとりで、その場で、数分あれば完結する行動だからかもしれません。話題の場所へ初日に行くには、移動時間と予約と、たいていは付き合ってくれる誰かが要ります。勢いだけでは越えられない段差がいくつも挟まっている、と言い換えられます。
同じ編の「流行語は?」も並べておくと、約21,600人のうち66%が「すぐ使っちゃう」でした。言葉には乗る。体は動かさない。ここに、この集団の輪郭がわりとはっきり出ている気がします。
それでも初日に行く20%
20%を人数にすると5,000人を超えます。この人たちを「ミーハー」の一語でまとめてしまうと、たぶん何も見えません。
一番乗りの記録そのものが楽しい人もいれば、誰も投稿していないうちに出したい人もいます。混雑が苦にならない、むしろ祭りの一部として好きだという体質の人もいるでしょう。仕事や住まいの都合でたまたま近い人、初回限定の内容が本当に初回にしかない分野を追っている人。「すぐ行きたい」に丸をつける事情は、行動が同じでも中身がかなり違うはずです。
新しくできた場所の話は、初日に行った人と半年後に行った人で、まったく違う思い出になります。どちらだったかを当ててもらうほうが、感想を語り合うより早く相手のことがわかるかもしれません。