10人に1人。
リカイドの推し活編に入っている2択「つらい時の推しは?」で、「見る元気もない」のほうを押した人の割合です。「特効薬になる」が90%、「見る元気もない」が10%。2,164人が答えて、この差になりました。推し活ジャンルの100問を偏りの大きい順に並べると、上から3番目に入る一問です。


推しは、いつのまにか回復役になっている
同じ推し活編には、推しとの関係を聞く質問がいくつも並んでいます。「推しに求めるのは?」は「癒し」が76%で「刺激」が24%(約1,900人)。「推しとの関係は?」は「支えたい」が33%、「支えられてる」が67%(約1,700人)。そして今回の「つらい時の推しは?」で、特効薬側が90%。
並べると、数字がきれいに上がっていきます。ふだんの関係を聞かれると3人に2人が「支えられてる」と答える程度なのに、つらいときという条件がついた途端に9割まで跳ね上がる。推しは、平常時には趣味の顔をしていて、こちらが弱ったときだけ役割を切り替えられているように見えます。
そう機能するための準備も、数字に出ています。「推しの画像は?」は「保存しまくる」が81%、「スマホの壁紙は?」は「推しにしてる」が73%(どちらも約2,000〜2,300人)。つまり大半の人にとって、推しは検索して探しに行くものではなく、すでに手元にあるものです。帰りの電車で、何も考えずに写真フォルダを開く。あの数秒のために画像は貯められている、という読み方もできます。効きが速いのは、常備されているからなのかもしれません。



「見る元気もない」の中身は、たぶん一種類ではありません
では10%は、推しが好きではないのでしょうか。それは考えにくいところです。この質問に答えているのは、後で触れるとおり推し活編をわざわざ開いた人たちだからです。
理由はいくつも想像できます。ひとつは、落ちているときは画面を見ること自体が重いという単純な話。映像も音も情報量があり、元気がないと処理が追いつきません。もうひとつは、まぶしさの問題です。全力で光っている人を見て、今の自分と引きくらべてしまう感覚は、好きだからこそ起こります。さらに、推しを大事な日のためにとっておきたい、雑な状態で消費したくないという人もいるでしょう。「推し活に疲れたら?」で「距離を置ける」が37%、「離れられない」が63%(約2,000人)という結果もあり、意識的に距離を取れる人は少数派ではあるものの、確かに一定数います。
どれが多いのかは、この2択だけでは分けられません。ただ、「元気なときに全力で浴びる派」という区分けが存在するらしいことは言えそうです。回復に使うか、ごほうびに使うか。同じ推しでも、置き場所が違います。
この2,164人は、どこから来た人たちなのか
最後にデータの出どころを疑っておきます。推し活ジャンルは、リカイド本編の出題には混ざりません。トップから普通に遊んでいるだけでは一問も出てこず、「推し活編」という特化ページを選んだ人だけが答えています。実際、恋愛ジャンルの質問が1問あたり4万人規模で答えられているのに対し、推し活の質問は2,000人前後です。
つまりこの90%は、世の中の9割という意味ではありません。自分は推し活をしていると思っている人のなかの9割です。母数がその時点で絞られています。
もうひとつ、リカイドの答えは友達に見られる前提で押されます。自分の2択を作って送り、相手が「この人はどっちだろう」と当てにくる遊びだからです。そう考えると、「つらいとき推しに救われている」は書きやすい答えで、「見る元気もない」はやや告白に近い。10%という数字は、本当のところよりも小さめに出ている可能性があります。
しんどい日に推しを見られるかどうかなんて、面と向かって聞く話ではありません。2択にして送るくらいが、ちょうどいい距離だと思います。

