リカイドの2択は、たいてい勝負がつきます。1,000問のうち千人以上が答えた800問あまりで見ると、6対4より開いている質問が6割を超え、8対2まで振り切れるものも1割強あります。人の好みは、こちらが思っているより偏ります。
そのなかで、この一問だけが動きません。「連絡手段は?」に48,425人が答えて、「電話したい派」が50%、「LINEで十分派」が50%。恋愛ジャンルの100問を差の小さい順に並べると、堂々の1位です。全ジャンルを通しても上位10問に入ります。4万8千人が投票して、なお動かない。


電話が嫌われているわけではありません
引き分けと聞くと、みんなどっちでもいいんだろうと思いたくなります。ところが周りの質問を見ると、そう単純でもなさそうです。
同じ恋愛ジャンルの「おやすみ前の長電話は?」は、「好き」が66%、「眠いからいい」が34%(約4万8千人)。恋人との長電話は、はっきり多数派に支持されています。一方、SNS編に入っている「知らない番号の電話は?」は、「一応出る」が10%で「絶対出ない」が90%(約1,100人)。同じ電話という手段が、片方では3人に2人に歓迎され、もう片方では10人に9人に拒否されています。
つまり電話の評価は、電話そのものではなく相手で決まっているということになります。手段の好き嫌いを聞いているようでいて、実際には関係の距離を聞いている。恋人という条件がついた瞬間に電話の株が上がるのは、そのためだと考えられます。

割れているのは「速度を強制されたいか」かもしれません
連絡まわりの数字をもう少し集めてみます。「既読スルーされたら?」は「気になる」が72%(約5万4千人)。「恋人への返信は?」は「すぐ返す」が62%。「恋人との連絡は?」も「毎日たくさんしたい」が54%。返事の速さを気にする人は、どれも多数派側です。
それでいて手段は半々。ここに、ひとつの説明が置けます。電話は速度を強制する道具で、LINEは速度を選べる道具だという差です。電話は出た瞬間から会話が始まり、考える時間もタイミングも相手に預けることになります。LINEは受け取ってから返すまでの間を、自分で決められます。既読がつくかどうかで揉めるのは、裏を返せばその間が自分の手にあるからです。
そう考えると、この2択は連絡手段のアンケートというより、相手にペースを預けられるかどうかの2択に近い。預けたい人と、手元に置いておきたい人。どちらも相手を大事に思っているのに、大事の作法が逆を向いています。半々で止まるのも無理はありません。



引き分けは、穏やかという意味ではありません
50対50には二通りあります。どちらでもいい人が半分ずつ散っただけの引き分けと、強い派閥どうしが真正面からぶつかっている引き分けです。周辺の数字を見るかぎり、この一問は後者に見えます。長電話を好きと言う人が66%いて、知らない番号には90%が出ない。電話に対する態度は、全体としてかなり強い。弱い意見の集まりで50対50になっているのではなさそうです。
そしてこれは、リカイドというゲームの都合から言うと厄介な質問でもあります。リカイドの2択は、自分の答えを友達に当ててもらう遊びです。8対2の質問なら、相手のことをよく知らなくても多数派に賭ければ当たります。ところがこの一問には賭ける先がありません。当てられるのは、その人と実際に連絡を取ったことがある人だけ。恋愛ジャンルで最も差が小さいということは、恋愛ジャンルで最も実力が問われる一問ということでもあります。
電話がいいかLINEがいいかなんて、付き合ってから何度かすれ違ってようやく話し合うことが多いものです。先に2択で聞いてしまうほうが、たぶん早いのだと思います。

