怖いものは、いまや探さなくても向こうから来ます。寝る前におすすめ欄をめくれば心霊系のサムネイルが流れてきますし、ホラー映画は月額のなかに何本も入っています。わざわざ肝試しに出かけなくても、供給は足りている時代です。
そのうえでリカイドが聞いたのが、この一問でした。「怖いもの見たさは?」に38,331人が答えて、「ある」が75%、「ない」が25%。ダーク・本音ジャンルの100問のうち、22番目に票が片側へ寄った質問です。4人に3人が、怖いものに引き寄せられる自覚を持っていることになります。


自認は75%、行動は30%台
同じダーク・本音ジャンルには、具体的な場面を聞く質問がそろっています。並べてみます。
「ホラー映画は?」は「大好物」が40%で「絶対むり」が60%(約3万7千人)。「心霊スポットは?」は「行ってみたい」が30%、「近寄りたくない」が70%(約4万人)。遊び・スポーツジャンルの「お化け屋敷は?」でも、「突撃したい」は44%どまりです(約3万人)。
怖いもの見たさがあると答えた人は75%。ところが実際にホラーを再生する人は40%、現地へ行く人は30%。30から45ポイントぶんの人が、見たさはあると言いながら、具体的な行き先はすべて断っています。
言葉のうえではおかしな話ですが、実感としては分かる気もします。「怖いもの見たさがある」は、性格の申告です。「心霊スポットに行きたい」は、予定の申告です。前者はタダで、後者には夜と移動と後始末がついてきます。



距離のある怖さだけが、歓迎されています
ではこの75%は口だけなのかというと、そうとも言い切れません。もっと数字が伸びる怖さもあるからです。
「都市伝説は?」は「ワクワクする」が80%、「くだらないと思う」が20%(約3万5千人)。「幽霊は?」も「いると思う」が71%(約3万9千人)。話として受け取る怖さは、8割が歓迎しているわけです。怖いもの見たさの75%は、この80%とほぼ同じ層を指していると考えたほうが自然でしょう。
つまり境目は、怖いかどうかではなく、自分の体がその場に行くかどうかにありそうです。画面の向こう、あるいは誰かの話のなか。そこに置かれているかぎり、怖さは楽しめる材料になります。ところが夜道を歩く、暗い通路に入る、という段になると急に半分以下へ落ちる。「怖いもの見たさ」という言葉の後半が、文字どおり「見る」で終わっているのは、案外正確な言い回しなのかもしれません。
「ない」の25%には、正反対の人が同居しているかもしれません
少数派側も見ておきます。「ない」を選んだ25%は、ひとまとまりの集団ではなさそうです。
まず、本気で無理な人。ホラーの予告が流れただけで画面を切る、という層は確実にいます。この場合の「ない」は、近寄りたくないという意味です。ところがもう一方に、怖くないから見たさが起きない人もいます。心霊番組を見ても筋書きが気になるだけ、お化け屋敷は装置として面白い、という人にとって、そもそも「怖いもの」が成立しません。この場合の「ない」は、平気だという意味になります。
近寄れない人と、平気すぎる人。両端が同じボタンを押している可能性があるわけです。2択の宿命ではありますが、25%をひとくくりに「怖がり」と読むと、たぶん半分外します。
そして例によって、この数字は友達に見られる前提で押されています。ダーク・本音ジャンルは後ろ暗い本音を白状させる設計ですが、「怖いもの見たさがある」だけは後ろ暗くありません。むしろ好奇心の申告として気持ちよく押せる側です。75%には、そのぶんの甘さが乗っていると見ておくくらいでちょうどいいと思います。
その人がどこまで本気かは、実際に誘ってみるまで分かりません。誘う前に2択で当てにいくほうが、たぶん安全です。
