リカイドの1000問は、大きく二種類に分けられます。答えても他人の話で終わる質問と、答えた時点で自分の申告になる質問です。「犬か猫か」は前者、「人見知りか」は後者。今回の一問は、後者のいちばん奥にあります。
心・価値観編の「自分の性格は?」に33,079人が答えて、「変えたいところがある」が77%、「このままでいい」が23%。編内の偏りランキングでは23位。1位の「10年後の自分は?」ほど極端ではないものの、4人に3人以上が同じ側に立ちました。


「直したいところ」の中身は、たぶん近くの数字に出ています
同じ心・価値観編を並べると、似た高さの数字がいくつも見つかります。「人見知り?」は「する」が79%(約3万7千人)。「優柔不断?」は「かなり」が78%(約3万4千人)。心の闇編の「押しに弱い?」は「弱い」が81%(約4万5千人)。そして「『大丈夫?』と聞かれたら?」では、「大丈夫と言っちゃう」が86%に達します(約3万3千人)。
どれも、直したいと言われがちな性質ばかりが8割前後で並んでいます。 77%という数字は、漠然とした自己否定というより、心当たりのある具体的な項目の集まりだと考えたほうが自然です。人見知りで、決めるのが遅くて、押されると断れず、平気じゃないときに平気と答えてしまう。この四つのうち少なくとも一つに当てはまる人が77%、と言われたら、多くの人が納得すると思います。
変えたい、けれど報われるとも思っていない
もうひとつ、噛み合わせの悪い数字があります。同じ編の「努力は?」は「報われると思う」が32%、「報われないこともある」が68%(約3万2千人)。
変えたいところがある人が77%、努力が報われると思っている人が32%。 この二つが同じ集団の中に同居しています。直したい項目はあるのに、直す作業の見返りにはあまり期待していない。矛盾しているようですが、性格を変えることの難しさを一度でも実感していれば、むしろ順当な組み合わせかもしれません。変えたいという言葉は、必ずしも計画の宣言ではなく、現状への評価として置かれている。



23%が言えた「このままでいい」は、たぶん重い
少ないほうの23%を、自分に甘い人たちとまとめるのは違うと思います。この選択肢には、選びにくさが最初から仕込まれているからです。
リカイドの回答は、友達に見られる前提で選ばれます。その状況で「このままでいい」を押すと、うっすら自慢に見える瞬間があります。短所を挙げるほうが場として無難で、謙遜が期待される場面ではなおさらです。人には、良い面より悪い面のほうが目にとまりやすいという傾向(ネガティビティバイアスと呼ばれます)も知られていて、自分を評価するときにも同じ偏りが働きやすいとされています。23%という数字は、実際の満足度よりいくらか低く出ている可能性があるわけです。
そのうえで23%側に立った人の中身も、一枚ではありません。今の性格で困っていない人。困った経験はあるけれど、それを含めて自分だと決着をつけた人。変えるより、合う場所を探すほうが早いと判断した人。すでに一度変えてみて、今の形に落ち着いた人。「このままでいい」は、諦めの言葉のこともあれば、折り合いのついた人の言葉のこともあります。 同じボタンを押していても、そこに至る道のりの長さはまったく違う。
自分の性格をどう思っているかは、面と向かって聞くには少し重い質問です。真顔で聞けば身の上話になり、飲みの席で聞けば湿っぽくなる。2択にして、他の99問に紛れ込ませて、正解を当てるゲームの一問として渡すくらいがちょうどいい距離なのだと思います。相手がどっちを選んだかより、自分がどっちだと思われていたかのほうが、たぶん効きます。