600問ぜんぶの投票を並べて、いちばん割れている質問を探しました。出てきたのはプリンでした。
リカイドの2択「プリンは?」に21,719人が答えて、「かため昔ながら」が50%、「とろとろ系」が50%。食事ジャンルの100問だけでなく、6ジャンル600問を通しても、いまのところこれが最も票の割れている質問です。小数点以下まで見ても差はごくわずかで、明日集計したらどちらが上かが入れ替わっていても不思議はありません。


割れる2択は、対立が激しい2択ではありません
食事ジャンルの接戦は、上位が甘いもので埋まっています。「ケーキを選ぶなら?」のいちごショートと濃厚チョコ、「おやつに選ぶなら?」のグミとチョコ、「ホットケーキ vs フレンチトースト」。いずれもほぼ半々で、どれを取っても勝敗がつきません。
一方、はっきり決着している質問も見てみます。「たまごかけごはんは?」は「全部混ぜる」が87%、「フライにかけるなら?」は「ソース」が86%、「ラーメン vs つけ麺」は84%対16%。さらに「パクチーは?」では「むり」が77%、「納豆は?」では「毎日でもいける」が75%を占めました。
並べてみると、票が割れるのは意見の対立が激しいからではなさそうです。むしろ逆で、パクチーや納豆のように好き嫌いそのものが分かれる食べものほど、数字はきれいに片側へ倒れます。プリンのかためととろとろは、どちらかが嫌いという人がほとんどいません。両方おいしいと思っている人が、その日の気分で片方を押した結果が、この50%対50%だと考えるほうが自然です。



「昔ながら」が勝ちそうだったのに
この21,719人は、食べものについてはかなりの保守派です。「初めての店では?」で「いつもの定番」を選んだ人が7割、「行列のできる店は?」は「空いてる店でいい」が73%。「最後の晩餐に選ぶなら?」に至っては「なじみの家庭の味」が82%で、高級フルコースを圧倒しています。
これだけ慣れたものに寄る集団なら、「かため昔ながら」が押し切ってもよさそうなものです。ところが結果は互角でした。考えられる理由のひとつは、とろとろ系がもう新顔ではないこと。「コンビニスイーツなら?」では「プリン・シュー系」が67%で選ばれていて、いまコンビニの棚に並ぶプリンは、なめらかなタイプが主流です。喫茶店の固いプリンと、コンビニのとろけるプリン。どちらもすでに「いつもの」になったあとで聞かれた質問だとすれば、これは保守と革新の勝負になりません。
もうひとつ、この2択は味ではなく食感を聞いています。「あんこ vs カスタード」ではカスタードが62%と差がついたのに、同じカスタード系の中の口あたりを問われた瞬間に半々になる。何を食べるかは決まっていて、どう食べたいかだけが決まっていない、という順番が見えてきます。
半々の問題は、当てるのがいちばん難しい
リカイドは自分の答えを先に決めて、それを友達に当ててもらうサイトです。その前提で眺めると、この質問は600問でもっとも凶悪です。相手をどれだけ知っていても、正答率はコイントスに近づきます。9割が片側に寄る質問なら、その人を知らなくても当たってしまう。半々の質問は、知っていても当たらないほうです。
しかもプリンの好みは、会話に出にくい部類でもあります。一緒にコンビニへ行って、同じ棚の前に立って、それぞれ好きなほうを買って、それで終わる。どちらを取ったかをわざわざ見ていた人はほとんどいません。かたさの好みは、隣にいても共有されないまま何年も過ぎていきます。
最後にひとつ、この数字の読み方に注意も要ります。リカイドの2択には「どっちも好き」という逃げ道がありません。プリンはまさに「どっちも好き」が出やすい題材です。50%対50%は、意見がきれいに二分されている証拠というより、決めきれなかった人がとりあえず片方を押した結果を含んでいると見たほうが正確でしょう。600問でいちばん割れているというのは、600問でいちばん選ばせるのが酷だった、という意味なのかもしれません。

