87%対13%。これだけ割れない結果が出たときに最初に疑うべきなのは、人の心ではなく質問文のほうです。
リカイドの性格・価値観編にある2択「権力 vs 自由」に26,961人が答えて、「自由」が87%、「権力」が13%でした。性格・価値観編100問の偏りランキングでは3位。上には「尊敬する人はいる」(89%)と「10年後の自分はまったく未知」(89%)が並びます。



半分は、言葉が決めている可能性があります
日本語の「権力」は、単体で置かれるとあまり良い顔をしません。権力を握る、権力者、権力に屈する。並ぶ相手がだいたい物騒です。いっぽう「自由」は、それ自体を否定する場面がほとんどない語です。中身を比べる前に、言葉の手触りだけで勝負がついている可能性は、正直に見積もっておいたほうがよさそうです。
もし選択肢が「決定権」や「裁量」だったら、数字は今と同じにはならないはずです。会議で最後に決めるのは自分、企画を通すかどうかを自分が決められる——そう言い換えた瞬間、それは多くの人が欲しがるものになります。13%は「権力が要らない人の割合」ではなく、「権力という言葉ごと引き受けられる人の割合」に近いのだと思います。

それでも、周りの数字とはきれいに揃います
とはいえ、この結果が言葉のあやだけで出来ているとも言い切れません。性格・価値観編の他の質問を並べると、同じ方向を向いた数字が続きます。「憧れの生き方は?」は「自由人」が81%(約30,400人)。「生き方は?」は「今が楽しければOK」が79%(約31,800人)。「幸せの基準は?」は「小さな日常」が82%。「物事の進め方は?」は「ノリと勢い」が78%(約32,200人)。
縛られない、先回りしない、大きくは狙わない。 ここまで揃うと、自分の時間の使い方を他人に決められたくない、という気分自体は本物に見えます。
面白いのは、その隣にある数字です。「有名になりたい?」は「なってみたい」49%対「静かに暮らしたい」51%で、ほぼ真っ二つ。「常識は?」に至っては「大事にする」が78%(約25,100人)でした。自由には憧れるけれど、目立ちたいわけではないし、常識も守っていたい。87%が求めているのは、社会から降りる自由ではなく、決められた範囲の中で自分の分を自分で決める自由ということになりそうです。


13%の側を、悪役にしないでおきます
「権力」を選んだ人が支配欲の強い人だとは限りません。同じ性格・価値観編で「優柔不断?」に「かなり」と答えた人は78%(約34,700人)います。決めるのが苦手な人がこれだけいる場所で、あえて決める側に回りたいと言うのは、面倒を引き受ける宣言でもあります。他人の判断で動かされた経験が多い人ほど、自分で決められる位置に価値を見いだす、という読み方もできるはずです。
しかもこの2択は、友達に出されて答え合わせをされます。「あの人は権力って答えそう」と思われる側に自分から立つのは、それなりに勇気の要ることです。13%は、その勇気を差し引いてもなお残った数字だと考えると、見え方が変わります。
「権力と自由、どっちが欲しい?」は、飲みの席で聞くと少し空気が変わる質問です。2択にして出すぶんには、たぶん誰も傷つきません。