この結果は、10年前に同じ質問をしていたら、たぶん逆に出ていたと思います。
「ひとりカラオケは?」——6,925人が答えて、84%が「行ける」。ハードルが高いと答えたのは16%だけでした。かつて「ヒトカラ」という略語がわざわざ作られ、「ひとりでカラオケ行くの!?」と驚かれていた時代を知っている人には、なかなか感慨深い数字ではないでしょうか。


ひとりの遊びが、恥ずかしくなくなった
変化の理由はいくつも重なっています。ひとりカラオケ専用の店や料金プランができたこと、受付が機械化されて人と話さずに入れるようになったこと、そして「ソロ活」という言葉が広まって、ひとりで過ごすことが寂しさの証拠ではなくなったこと。
もともとカラオケは、複数人で行くと歌える曲数が人数分の1になるという構造的な問題を抱えていました。2時間で自分が歌えるのは数曲。しかも場の空気に合わせた選曲になりがちです。ひとりなら全部自分の番で、何度でも同じ曲を練習できて、誰も知らないアニメの曲を熱唱しても止められません。合理的に考えると、歌いたい人ほどひとりで行くのが正解なんですよね。
とらの指摘も正しくて、この2択が聞いているのは「行けるかどうか」であって「行っているかどうか」ではありません。心理的なハードルは越えたけれど実際にはまだ行っていない人も、この84%にはかなり含まれているはずです。とはいえ、それも大きな変化です。「やろうと思えばできる」に変わった時点で、その遊びは市民権を得ています。


ハードルを感じる16%が見ているもの
少数派の16%も、けっして「ひとりが苦手な人」でひとくくりにはできません。カラオケのひとり入店には、いくつか別々の関門があります。
受付で「1名です」と言う瞬間。部屋に案内されるまでの通路。隣の部屋から聞こえてくる複数人の笑い声。そして、誰も聞いていないのに自分の歌が下手だと気づいてしまう時間。人によって、引っかかる場所はまったく違います。歌うこと自体は好きでも、「店員にどう思われるか」だけが気になる人もいる。
面白いのは、リカイドの他の2択を見ると、ひとりの時間そのものは広く肯定されていることです。「ショッピングは?」では75%が「ぶらぶら回遊」、「恋人と趣味の時間は?」では81%が「別々の時間も大事」。ひとりで過ごすこと自体はもう当たり前で、残っているのは「ひとりでいる姿を人に見られること」への抵抗なのかもしれません。ヒトカラのハードルが受付にあるという話と、きれいにつながります。
誘う前に、知っておくと便利な2択
この質問、友達に出すと地味に実用的です。「ひとりで行ける」と答えた人は、たいていカラオケそのものが好きなので誘えば来ます。「ハードル高い」と答えた人は、複数人なら楽しめるタイプかもしれないし、そもそもカラオケが得意でないのかもしれない。
どちらにしても、相手がどっち側かを知っていれば、誘い方を変えられます。歌が好きな人に「みんなで行こう」と誘うのと、緊張する人に「ふたりで軽く」と誘うのでは、届き方がまるで違いますから。

