この2択には、リカイドのほかの問題にはあまりない特徴があります。答えが事実ではなく、自己申告でしか出てこないということです。
好きな食べ物や寝るときの服装は、本人に聞けばそれが答えです。けれど「ゲームの腕前は?」は違います。上手いかどうかを決めるのは本人ではなく、周りとの比較だからです。
その前提で見ると、この数字はなかなか味わい深いことになっています。8,120人が答えて、「エンジョイ勢」が86%。「ガチ勢」を選んだのは14%でした。


「ガチ勢」は、名乗った時点で説明を求められます
エンジョイ勢と言うのは安全です。楽しんでいるだけなので、上手くなくても筋が通ります。逆に「わたしはガチ勢です」と宣言すると、そのあと下手なプレイを見せたときに気まずい。名乗ることが、そのまま腕前の主張として受け取られてしまうからです。
だから、実力がある人ほど慎重になります。ランクマッチで上位にいても、大会に出たことがあっても、上には上がいるのを知っている人は「ガチ勢」を名乗りにくい。この言葉には、自称した瞬間に基準が跳ね上がる性質があります。
リカイドの回答は、そこにさらに一段かかります。ここでの答えはあとで友達に見られる前提で選ばれるからです。無記名のアンケートなら気楽に押せる選択肢でも、答え合わせで顔を合わせる相手がいると、謙遜のほうへ倒れやすくなります。盛るより下げるほうが安全な質問というのは、たしかにあります。



遊び方のほうを見ると、話が変わってきます
面白いのは、ほかのゲーム関連の2択がぜんぜん偏っていないことです。
「ゲームするなら?」は「対戦系」が45%で「ひとりでじっくり系」が55%。ほぼ互角です。「スマホゲームは?」も「課金しちゃう」が5割前後で、無課金派と拮抗しています。「YouTube観るなら?」では「ゲーム実況」が7割台と、日常系の動画を大きく引き離しました。
対戦を選ぶ人が半分近くいて、課金する人が半分いて、実況を観る人が7割。遊び方はかなり本気なのに、自称だけがエンジョイ勢に寄っているわけです。この落差が、さっきの「名乗りにくさ」を裏づけているように見えます。
もっとも、別の読み方もできます。対戦もするし課金もするけれど、勝ち負けに人生を賭けてはいない。楽しんでいるという自覚のほうが、実際の熱量より正確に自分を表している——そういう人が多数派なのだとしたら、この86%はまったく歪んでいないことになります。
14%の側にいる人たちについて
ガチ勢を選んだ人にも、いくつかの入り口があります。
ひとつは、根拠を持っている人。ランク、戦績、費やした時間。名乗るのにコストがかかる言葉をあえて選ぶからには、たいてい何かしらの裏づけがあります。
もうひとつは、「ガチ」を上手さではなく姿勢の話として読んだ人です。腕前は人並みでも、やるからには真剣にやる。攻略を調べ、練習し、負けたら理由を考える。この読み方をすれば、勝率と関係なくガチ勢を名乗れます。
そしてもう少しだけ挑発的な可能性として、正直なだけの人。周りがどう受け取るかを考える前に、自分の実感で押した人です。この2択でいちばん素直なのは、実はこの14%なのかもしれません。


クイズとしては、多数派に賭ければまず当たる問題です。それでも相手が14%だったなら、そこには宣言するだけの何かがある。何時間やってるのか、どのゲームなのか、そこから先は本人に聞いたほうが早い話です。