


リカイドのゲーム編に入っている2択「遊び終えたソフトは?」に2,313人が答えて、「売る派」が9%、「手元に残す」が91%でした。ゲーム編の100問を偏りの大きい順に並べると、先日取り上げた「壺や草を見たら?」と首位を争う位置にいます。遊び方を聞く質問はあれだけ割れるのに、遊び終えたあとの扱いだけは、ほぼ全員が同じ側に立ちました。
「もう遊ばない」の判断は、むしろ速い
意外なのは、この91%が優柔不断から来ているわけではなさそうなことです。
同じゲーム編の「合わないゲームは?」を見ると、「最後までやる」が13%で「すぱっとやめる」が87%(約2,300人)。合わないと分かった時点で、9割近くが手を止めています。遊ぶかどうかの判断は、むしろ早い部類です。にもかかわらず、遊ばなくなったソフトは棚に残る。「もう遊ばない」と「もう要らない」は、別々のタイミングで決められているようです。
似た数字がもうひとつあります。「昔のセーブデータは?」は「消せない」が81%、「サクッと消す」が19%(約2,300人)。置き場所を1ミリも取らないセーブデータですら8割が残るのですから、箱に入ったソフトが残るのは自然な流れに見えます。



一度自分のものになると、手放すときに感じる価値が、手に入れる前より高く見積もられやすい——保有効果として広く知られている話です。中古買取の画面に並んだ数百円という数字を見て、「この値段で手放すくらいなら」とそっと閉じた経験のある人は、少なくないはずです。
売る派の9%は、理由のほうがはっきりしている
少数派のほうが、動機は言葉にしやすいかもしれません。
新作を発売日に買い、数日でクリアして、値が落ちる前に売る。この回し方をしている人にとって、ソフトは次の1本の資金です。手放すほど早く次が買えるので、残す理由のほうがありません。収納が限界に来ている人、家族と部屋を共有していて置き場所が交渉制の人、引っ越しの多い人も、同じ側に立ちやすいはずです。
もうひとつ、この質問には見落とせない条件があります。同じゲーム編の「ソフトを買うなら?」は、「パッケージ版」が53%、「ダウンロード版」が47%(約2,200人)。ほぼ半々です。ダウンロードで買った人には、そもそも売るという選択肢が用意されていません。91%のうち一定数は、残しているのではなく、残るしかないことになります。売る派が9%まで縮んだ背景には、買い方そのものの変化も混ざっていそうです。
9割が一致する質問は、クイズとして弱いのか
リカイドの2択は、友達に自分の答えを当ててもらうために作られます。その観点でいうと、9割が同じ側に立つ質問はクイズ向きとは言えません。相手の顔を思い浮かべなくても、とりあえず「手元に残す」と書いておけば当たってしまうからです。
ただし、外れたときの情報量は逆に大きくなります。友達の答えが「売る派」だった場合、その一問だけで、遊び終わったソフトを家に置かない人だと分かる。買って、遊んで、終わり。次の作品へ移るまでが早い人かもしれません。偏った質問は、当たったときではなく外れたときに効くわけです。91%を当てても得られるものはほとんどないのに、9%を引いた瞬間、その人の部屋の様子まで想像がついてしまいます。
答えている2,313人が、ゲーム編という看板を見て自分から入ってきた層——つまりゲームの話を長くできる人たち——であることを踏まえると、この一問は身内で出したときにこそ効きそうです。棚の話が始まって、そのまま一時間くらい終わらないやつです。


棚に並んだ背表紙は、遊んだ時間そのものの記録でもあります。友達の棚を見せてもらうと、その人がどの作品と長く付き合ってきたのかが、聞くより早く分かります。